SPECIAL EDITION

SPECIAL EDITIONは日替わり月替わりのメンバーで毎日更新予定📖いろんなひとに読んでもらえたらいいなと思っています。みんなの毎日にぜひよろしくね。

北村灰色

ここだけの葬列 /北村灰色

君が花火を隠してしまった朝焼けに、積乱雲は氷結することを選び取った。 花びら舞い散る星空、左耳を削ぎ落した彼の絵筆が刻む、放課後の美術室の銃声と切創が、暗い影と共にソプラノとテノールの合唱隊を焼死体へと変換する。 「太陽にキスをした」 気の触…

148-76120-96の「ここだけにしか存在しない住所」 /北村灰色

思考の水槽が錆びた車輪に刻まれてゆく。 夕刻は色を喪い、私の網膜はアイスピックのような蒼を刹那に齎し、やがて永遠の茜が滲む。 __浮游夢は覚めることなく、唯アスピリンが砕け散る繰り返し繰り返しに。 ウィスキーグラスの水も何処か虚ろな眼をしたま…

ここだけにしか降らない雨 /北村灰色

鳴りやまぬ雨音のリズムに、黒猫だけがそっとメロディーを奏でた。 五月雨に燃ゆる紫陽花の藍色、五月雨に寂寞したブランコの嘆き―― 救済なき%、徐々に這いあがる水位に、光のない街は渇ききったネオンライトを求めて、蒼ざめた左手を永延と揺らし続ける。 …

ここだけは122の変死体 /北村灰色

――あの日刻まれた時計の針に、確かな青だけが遺されていた。 此処は紅色の墓標が撤去された夕暮れ。空白と空欄の書簡に逆行を注ぐ胎内の、その温もりすら、静脈に打たれて(しまった)ダチュラの季節を焼きつけた。 理由もなく、唯もう、この世界にいる意義…

ここだけのココアシガレット /北村灰色

「火を放てば全てが炭酸水へと回帰してゆく」 ――そう嘯いた少女は、2階の窓から放ったココアシガレットの箱と、血に染まった伝書鳩に真昼の左手を永延と振り続けている。 夢を亡くしたライターのオイルから流れだす青い炎 夢を見たままの乳母車に眠る「空白…