山田開生
親愛なるレイナルド・アレナス、ふたたび平静とリズム。 1990年12月7日は金曜日だった。レイナルドが死んでから1万958日、30年が経つ。 死の3年前、レイナルドはマイアミ行きのチケットを買い、海の近くで死のうとしていた。彼の祖母が言っていた。海は毎日…
親愛なるレイナルド・アレナス、ふたたび平静とリズム。 ここだけの話、今みんなが考えてることはいつになったらここから出られるのかということ。息をするには十分な空間があって、目を閉じればどこまでも行くことができる。それでもふとした瞬間、閉ざされ…
親愛なるレイナルド・アレナス、ふたたび平静とリズム。 ここだけの話、土を食べてみようと立ち止まった。 1990年12月7日は金曜日だった。47歳だったキューバ人作家、レイナルドが金曜日のマンハッタンのアパートメントで死んだ。それから1万950日後、キュー…
親愛なるレイナルド・アレナス、ふたたび平静とリズム。 ここだけの話、海は毎日、人を呑み込む。 1990年12月7日は金曜日だった。47歳だったキューバ人作家、レイナルド・アレナスが死んでから1万942日後、16時39分に熱海の海の向こうに太陽が沈んだ。それか…